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僕は顔を上げる

(2013/10/30 Wed)
おり、サクライケースケ共和国は、国家総動員法を既に発令している程に困窮していた。
Confidence

「け、ケースケくん、とりあえず、顔を上げて。ね?」
 僕の耳に、当惑したユータの母の声が聞こえる。
 そりゃそうだよな――高校生が赤の他人に「金を貸してくれ」だもんな――怒られないだけまだマシかな。
 僕は顔を上げる。
「えっと――何て言えばいいか……」
 ユータの父が、数秒目を泳がせる。
「あなたのご家族は、忙しいのか、サッカー部の父母会でもtimberland ブーツ
、半年前の準優勝パーティーでもお会いしたことがないのだけれど、そんなにあなたにお金を出してくれないの? 最近何度かテレビで拝見したけれど、あなたに理解を示した、優しそうな方達じゃない」
 その間に、ユータの母が僕に聞いた。
「……」
 虫唾が走るのを堪えながら、僕は無言を貫いた。下手なことを口走って、この人達に心配をかけたくない。この人達に心配をかけたら、いずれユータ達にもそれが飛び火する。
「――まあ、家庭の事を聞くのは野暮じゃないか。それはいいよ」
 温和なユータの父が、妻をなだめる。
「しかし、新聞や雑誌で見たが、君の市場価値はどんどん上がっているんだろう? CMで君を起用したら、数億円の経済効果を生むとか何とか……君がちょっと顔を出すだけで、君は今、大金を手にすることが出来るのでは?」
「はい、恐らくそうでしょう。しかし僕は現在、自分が表舞台に立つ資格がないことで、多くの人の期待を裏切らざるを得ない状況です。そんな僕が、自分の利益のためだけに、のこのこ表舞台に出るのは、多くの人に対しての不義でしょう」
「……」
「といっても、こうしてお二人にお金を無心するのもティンバーランド ブーツ
、決して褒められた行為ではありませんが……」
 僕の声は次第にトーンダウンする。
 一体自分は何をしているのだろう――臥龍なんて言えば格好はいいが、実際はこの様だ。自分を食わせることも、人としての筋を通すことさえ叶いやしない。
「――もうひとつ、いいかい?」
 ユータの父が、しばしの沈黙の後、僅かに前かがみに座り直す。
「ユータにお金を借りようとは思わなかったのかい? あいつは正直プロ契約の際、相当の額の契約金を手にした。それは君も知っていただろう? 君が窮していれば、あいつは喜んで君にお金を貸しただろうと思うが」
「はい……正直それも考えました。ですが、それは出来ませんでした。僕は、あいつとずっと友達でいたいので……そう考えると、こんなことを言って、あいつに何て思われるかが、怖くて……」
「……」
 沈黙。
「はは」
 ユータの父が笑った。
「いい男だなぁ君は。斜に構えたように見えて、ティンバーランド アウトレット
心はどこまでも一本気で透き通っている――君のように、悪いことの出来ない人間が、我が子の友達でいたいと言ってくれるだけでも、私にとっては値千金だよ」
「……」
 意外な反応だった。もっと当惑されると思っていたのだが。
「しかし、君も損な性格だなぁ。そんなつまらないことで悩んでいたなんて」
 そしてそのまま僕を一笑に付した。
「え……」
「こう言っては何だけれど、君は山野に雌伏なんて柄じゃない。そう言って自分を抑えつけてはいても、心の底は、もっと広い世界を見てみたいという好奇心と、自分の力を試したいという好奇が煮えたぎっていると見るね。ユータもそう思っているからこそ、君をしつこくプロへと勧誘しているようだが」
「……」
 この半年、ろくに会えなかった僕のことが、どうしてここまでわかるのだろう。ユータがそれだけ僕のことを正確に捉えているのだろう。この二人の今の情報は、マスメデ




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いを蹴ったそうだね

(2013/10/30 Wed)
いを蹴ったそうだね。プロは小遣い稼ぎの場ではない。覚悟のない人間が立つべき場所ではない、と」
「はぁ……」
 僕は生返事をする。ユータが両親にそのことを話すのは予想できていたけれど。
「君が世間の評価もどこ吹く風で、滅多に表舞台に顔を出さないので、『臥龍』と呼ばれるようになって久しいが、それも同じような義理立てのためかい?」
「……」
 僕は一度言葉を咀嚼する。
「僕はまだ、現在の評価に見合うだけの力を持ち合わせていないと思っているので。スニーカー 通販
若輩で、世間知らずですし、思慮も足りません。今のまま表舞台に出ても、自分でも気付かないような愚を演じて、醜態を晒すのがオチでしょうから」
「そんなことはないと思うけどなぁ」
 ユータの母が首を傾げる。
「……」
 ユータの父は、僕を一瞥してから目を閉じて、腕組みした。
「あ、ごめんなさいね。色々聞いてしまって。えっと、ケースケくんは、私達に話があるのよね」
 ユータの母が、沈黙に耐えかねたように仕切り直した。
「……」
 僕はこの期に及んで、この頼みを言うべきか言わざるべきか、迷っていた。
 出来ることならば、人としての筋を通したいと思ってきた。だがもう、自分では何が正しくて、何が正しくないのかわからない。そうして日を重ねるごとに、僕の状況はどんどん悪くなっている。
 もう、僕一人ではどうしようもない…スニーカー 人気

 僕は座ったまま膝に手を突いて、深々と頭を下げた。
「お願いします! 僕にお金を貸してください!」
「え?」
「非常識なお願いであると理解しています。もし無理なら、ナイキ スニーカー キッズ
これからおばさんの家具屋で働かせていただけないでしょうか。お金は必ず返します。返すのにどれだけかかるかわかりませんが、絶対に働いて返しますから」
 これが僕の、ここ半年の最大の悩み。
 今の僕は、食うのにも困る程に、お金がないのである。
 半年前の全国大会で、僕は試合に負けたとはいえ、一躍時の人となってしまった。
 それまで僕は、実家から程近いコンビニで毎日アルバイトをしていたのだが、それ以来、僕がそこで働いていることが口コミで広まってしまい、僕の働く時間はコンビニが連日大パニックになってしまった。僕の人気は、学校にも機動隊が出動したこともある程なのだから、夜にそんなパニックを起こしたら、近所迷惑での苦情も殺到するのは必定だった。結局僕はコンビニのアルバイトを辞めた。無収入になったこともさることながら、それまで賞味期限の切れたコンビニの弁当やパンなどを貰って食いつなぐ生活をしていた僕にとって、それはライフラインの断絶に等しかった。
 その後もアルバイトを探したのだが、今の時期、僕を高校生時給で雇いたがる店などあるわけがない。数学オリンピックに出場したのは、それで好成績を収めて、国からの学業支援金を貰うためだ。今はその、雀の涙ほど出る支援金と、今までの貯金を切り崩して生活している。
 高校を卒業すれば、大学の奨学金が下り、もう少し余裕が出来る。それまで何とかしのげればいいのだが、僕と家族の関係は今更言うまでもない。衣食の面倒もなく、げんざいもおかねをはらっていえにおいてもらっている身だ。大学受験にかかる費用も考えれば、どう計算しても、残り半年を凌ぎきることは不可能だった。
現在は昼はユータ宛に女子生徒が届ける弁当のお余りを頂戴し、夜は勉強を教える名目で、ジュンイチやエイジの家に行ってはご馳走になるという有様で、明日食うものにも困っていた。
 時代の寵児と世間でもてはやされ、おまけに学校一の美少女を恋人に持つ今の僕だが、生活水準は以前よりも大幅に下がって




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やっと一息ついていた

(2013/10/30 Wed)
らも、応接室に一人通された僕は、やっと一息ついていた。
 僕は酒が飲めるのだが、あまり強くない。さっきから頭が少しふらふらしていたから、静かな場所に来て、少し脳に酸素が入ってきたような気がする。
 だけど、あいつらと酒を飲んだことは何度かあるけれど、酒を飲むことが、楽しいと思ったことは、これが初めてかも知れない。以前の僕は、とめどない現実を自分で処理することに疲れて、何かを忘れてしまおうとするためだけに、酒を飲んでいたけれど、やっと楽しい酒の飲み方がわかってきたような気がする。
「酔っているのかい?」
 応接室に案内してくれた、ユータの父に訊かれた。
「――少しだけ」
「はは、しかし君は酒はそれ程強くないが、乱れないからな。その点は安心だ」
 折節、お茶を持ってきたユータの母が入ってきて、僕に急須で注いだ茶を差し出した。そして、僕と向かい合う形で、ソファーに座る。
「すみません。お時間を取らせてしまって」
「いいのよ。久しぶりにあなたと話したいと思ってたしプーマ
、私達もあなたに頼みがあるから」
「……」
「でも、泣いているところを見られるのが、そんなに恥ずかしい?」
 ユータの母が、僕を見て笑った。
「……」
 ビデオの続き――延長戦、僕は痛み止めを打ってもらって強行出場したのだが、もう僕はボールを蹴るどころか、走ることさえ覚束ない程だった。試合中何度も削られたことで、蟹鋏タックルを受けた左足だけでなく、右足までが激しく痛んでいた。
 そのせいで、僕は大雨のピッチでシュートチャンスに入った際に、雨で濡れたピッチで足を滑らせ、ボールを奪われてしまった。すぐにジュンイチがフォローに入ってくれたけれどスニカー
、そのジュンイチも足を滑らせてしまい、埼玉高校は最後の防衛線を突破され、相手フォワードに単独速攻を決められてしまった。
 ジュンイチが時間を稼いだ間に僕は起き上がり、相手フォワードの後を追った。もう僕の足以外に、守る術がなかった。
 何とか僕はその選手に追いつき、その選手からのボール奪取に成功したのだが、痛んだ僕の両足は、その瞬間に止まってしまった。
 ジュンイチの「後ろ!」という声が聞こえた直後、僕はすぐ後ろまで迫ってきていた、敵の選手に跳ね飛ばされ、ピッチに倒れていた。その選手はそのまま決勝ゴールを決めた。
 延長戦はまだ5分ほど残っていたのだが、僕は最後に跳ね飛ばされた時に、痛んだ足を捻ってしまい、起き上がろうとしてももう起き上がれなかった。そのまま僕は担架で運ばれ、監督のイイジマも選手交代を審判に言い渡し、無念の途中交代となった。
 担架で運ばれながら、僕はアドレナリンが無限放出状態だったこともあって、情緒不安定な程にみっともなく泣いてしまい、その様をテレビで全国に生放送されてしまったというわけだ。それが僕の人生最大の不覚だ。
「でも、あの涙もまたカッコいいのに。悲運のヒーローって感じで」
 結果埼玉高校は負け、三國高校が全国4連覇を達成したわけだが、僕が怪我をしなければ、三國は負けていたという声が圧倒的で、誰も4連覇を讃える事はなかった。埼玉高校は、僕達に今でも届くファンレター曰くプーマ スニーカー レディース
「負け方がカッコよかった」ことで人気に火がついてしまい、今の無用の喧騒の基礎が作られてしまったというわけだ。
「まあいいわ。男の子は、泣くところを、人に見せたくないものだもんね」
 そう言って、ユータの母は僕の顔を覗き込む。
「ところでケースケくん。君はもう、二度とサッカーをやる気はないのかね」
 ユータの父が訊いた。
「ユータから聞いたが、先日君はユータと同じチームからの誘




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た姿だった

(2013/10/30 Wed)
た姿だった。
「でも、さしずめケースケのこのコーナーキックは、キューピットがマイさんに放った、ハートの矢ってところだな」
 ユータが言った。
「――僕は一人の男を幸せにしたが、一人の女性をとんでもなく不幸にしたかもしれないな」
「そんなことないよ」
 マイは言った。
「サクライくん、あの時、サクライくんが、puma スニーカー
私達のために歌ってくれた歌、私、多分一生忘れないわ。あの歌があったから、私は今もジュンくんとこうしていられているんだと思うから」
「……」
 マイから告白されたジュンイチを見て、その時も僕たちもジュンイチの顔を見て大笑いした。
 だけど、同時に僕は、それがすごくめでたいことのように思えた。僕達3人の中で、一番彼女を欲しがりながらも、三枚目キャラになっていたジュンイチに春が来たのだから。快楽主義者だが、心優しく、情に篤いこいつのよさに気付く女性が、やっと現れたのだから。
 僕とユータは、そのめでたい席に、何かを祝いたくて、まだ返事もしていないジュンイチを置いて、体育館のステージに上り、祝いの管弦代わりに、ギターを弾き、歌を歌った。
 その壇上から、ジュンイチとマイが手をつないでいるのが見えて、僕は何だか嬉しかった。今まで他人に無関心で、他人を不幸にしか出来ないと思っていた自分が、初めて誰かを幸せな気持ちにさせることが出来た気がして。
 ジュンイチとマイは、僕が初めて自分の力で笑顔にさせることができた人だ。口にするのは照れくさいから、一度も言えたことはないけれど……
僕はいつも願っている。この二人がいつまでも、仲睦まじくいてくれることを。
Borrow

 ジュンイチの値千金ゴールからまもなく、ホイッスルが鳴り、試合は5−5のまま延長戦に突入する。
『サクライは、再び担架に乗せられ、ベンチに戻ります。後半40分だけで、2ゴール2アシストと、鬼神の如き活躍を見せましたが、危険なタックルによって負った怪我と、40分間絶えず続いた激しいプレスによって、彼の足は悪化の一途を辿っていることは、ここからでもわかります。サクライの顔からは、もう余裕が全く感じられません』
『しかし、この選手の代わりは埼玉高校にはいませんからね……技術だけでなく、彼の闘争心溢れたプレーは、技術的に三國に遠く及ばない埼玉高校の選手を鼓舞してきました。彼がいたから、他の選手も三國相手にここまで持ちこたえられたのです。彼が抜けることは、得点源、チャンスメーカーという以前に、精神的支柱が抜けるということです。そうなると埼玉高校は一気に崩れてしまうでしょうね』
「――なあ。もうこの先を見るのはやめないか?」
 ピッチ外で担架から降ろされ、puma golf
医者の問診を受ける僕の姿が映し出されるテレビを見ながら、僕は画面を指差した。
「ははは、さっきまで俺を辱めてたんだ。お前も少しは恥を掻けって」
 ジュンイチが僕を揶揄する。
「……」
 気が重いな。プーマ 靴
この先を見るのは……
「おじさん、おばさん」
 僕はユータの両親の顔を、それぞれ一瞥する。
「実は今日は、お二人に込み入った話があるんです。もし宜しければ、お話を聞いて頂けると嬉しいのですが……」
 実を言うと、今日のパーティーは、ユータを祝うことが主眼なのは勿論だが、僕自身がユータの両親にお願いがあったので、この家に来る口実として、会場をここにしたのだ。
 そのお願いというのも、実に情けないことではあるが、事態は既に予断を許さない状況に来ている。
 もう、背に腹は代えられない……
「なんだよぉケースケ、上手い逃げ口上作りやがって」

 ――ジュンイチがぶうぶう言いなが




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バーバリー 手袋

(2013/10/25 Fri)
のまま校内へ滑り込むと、7時ジャストだった。駐輪場に自転車をバーでしっかり固定して、僕はそのままサッカー部の部室に向かった。
 埼玉高校の運動部は、二年生で引退が主だ。だから部室は先日先輩が引退し、僕達が引き継いだ。部室は一階と二階に一つずつあり、二階の部室を一年が使い、二年は一階の部室を使う決まりだった。
 男子しかいないサッカー部の部室は、富士の樹海状態だ。先輩が汚したのだが、掃除する時間がないし、重たい用具が積み重なっているため、とても一人で全て掃除できる状態ではない。不潔で不衛生な部室――共学なのに、女子のマネージャーがいないわけだ(顧問のイイジマが募集を許さないせいもあるんだけど)。
 ボロボロのドアを開けると、昨日の僕達の汗と夜の雨の混ざった、じめっとした臭いがした。ひんやりとした鉄筋コンクリート製の部屋は、空気の抜けかけたボールやらの用具が雑然と詰まれ、周りには壊れたスパイクがいくつも転がっている。かび臭く、湿気に満たされた、古い裸電球が一つぶら下がっているだけの薄暗い部屋は、橋の下のボクシングジムか、世界史の教科書に写真が載っているアヘン窟のようだった。
Morning-gathering

「オス」
 部長のヒラヤマユータが一人、既に部室にいた。背もたれのビニールがはがれ、財布 miumiu
中の黄色い綿が飛び出し、今にも足が折れそうな、さび付いたパイプ椅子に座って、スパイクを履いているところだった。こんな部屋に一人溶け込んでいるユータの姿は、本当にアヘン中毒者のようにも見える。
 僕も、オス、と言った。空いている椅子に鞄を置いて、シャツとスウェットを取り出し、着替える。
「お前もマメだよな。バイトもして、朝練にも出るんだから」
「……」
 マメだとか、サッカーが好きだとか、そんなことを思ったことは一度もない。miumiu 靴
家にいる時間を極力減らしたいだけだ。
 自分のことは自分でやっている。掃除も洗濯も、料理だって自分でやる。勉強だって県立に入って、自分で出すようになった。あの家族に養われている、という現実が嫌なんだ。向こうにも、養ってやってる、と思われたくないし。
 僕の家族のことは、家の外では誰にも話したことはない。理由は二つある。
 一つは面倒だから。何が面倒かって、口に出すだけでも忌々しいのにわざわざあんなものを家の外で思い出す僕の所作と、話した相手が取るリアクションを見届けるのが。
 特に問題なのは後者。甘ったれるな、と言ったり、同情するフリをしたり。miumiu 財布 激安
解決の助けにもならないくせに、返答が癇に障る場合が多い。
 もう一つは、僕自身いまだに家庭から抜け出せないなんて、そんなガキっぽい悩みを溜め込む自分に呆れているからだ。わざわざ話して、惨めの上塗りを公表することもない。高校生にもなって、親がどうとか言い訳しているような奴になりたくなかったからだ。そのせいもあって、僕は随分と強くなれたような気がする。
 これは僕自身の問題だってことは自分でもわかっていた。それを決めた時に、僕の人格は既に完成していたのだろう。無駄なことを話さずにいることで、口数も減った。
 その分頭の中での自問自答が増えた。外に吐き出さない分、自分の中で怒りをやっつけなくてはいけなくなった僕の感情は、悪魔の大鍋みたいな感情のるつぼと化している。
 呑気な同級生に呪いの言葉を吐いている時間が増えた。それを言わないのは、そういうことを言って自分を使い減らしたくないから。僕の性格では、言わないでいいことを決めると他のこともろくに喋らなくなる。それが一番楽だから。
 僕は皆の前でいつも黙っているが、懐にいつもナイフ




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